病院の中身


2000/10/10




 病院は大学の構内にあった。
ちょっとした病気ならここで診てもらえる。
同居人のフランコがある時風邪をひいて、その病院へ行った。
授業が終わり部屋に戻ると
開口一番フランコは笑いながらオーバーアクションよろしく、こう言った。
「ケツに注射打たれたよ〜。ワシャびっくりしたよ〜」
私はケツに注射を打たれた記憶はないので
「痛かったか?」と聞くと
「ちょっとね」ということであった。
この病院は受付で症状を申告した後に、
その受付の人から診察するところを紹介されるシステムだそうだ。
そのへんが変わってて
「ちょっと面白かったわ」と言っていた。
お国が変わるとシステムも変わるみたいですね。


で、私が病院へ行ったのは構内の病院ではなく
町中にある病院であった。

私は幼少の頃アレルギー体質と診断され、長じてアトピーと診断された。
年をとるにつれて、だいぶん症状はよくなってきたのだが
大連にきて3ヶ月、アトピー性皮膚炎の状態が悪化し空気が乾燥しているのも
関係があるのかよくわからないが身体があまりにもかゆくなったので病院へ行くことにした。
幸い大連には日本人医師が常駐している病院があり
そこでならアトピーといったような治療もしてもらえるのでは?と思いゆくことにした。

その病院は空港の方面にある大連○市民病院であった。
日本語で通用するため説明は楽で
服用のセレスタミンや塗り薬の副腎皮質ホルモン剤をもらえれば
なんとかなると思っていたので、あとは中国にそれらがあるかどうかが問題であった。

大学からは遠いためタクシーで出かけた。
受付に行くと
「ワシャ〜日本人じゃが〜、日本人の先生はどこにおるんかいのぉ〜」と言うと
こっちこっちとキレイナ看護婦さんが手招きをし、連れて行ってくれた。
先生のいるところは病院の離れのようなところに位置しており、
パッと見、どこかの公団住宅の様であった。
もっとも利用するのは日本人なので、こんなもんでしょうが・・・。

幸い先生は皮膚科の先生ではなかったが
治療法は心得ているようで、
リンパ腺が腫れているかどうかの簡単な身体検査をした後で
私が事情を説明し、
日本から持ってきた塗り薬を見せると
本を取りだすと、
「あぁ〜この薬なら中国ではこれが近いですねぇ〜」と
恩月夫霜という薬を出してくれた。
ついでに「西洋薬は香港辺りの製薬会社がやってるんですよ」と教えてくれた。

で、それで症状は一度治まったのですが少しかゆくなったので
病院へ行かなければ・・・と思ったのですが
また薬をもらいに行くだけでタクシー乗って病院行くの遠いなぁ〜と思い、
駄目で元々と思い、恩月夫霜を手にし大学近くの小さい薬局へ行ってみた。
「すんません〜、これと似たような薬ないですか?」と聞くと
なんとこれがあったんですね〜。

今迄『病院でもらう薬=薬局では売っていない』ということが
当たり前だと思っていたので
余計にびっくりで、また価格もほとんど変わらなかったため
余分に買ってしまいました。

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