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台北の旅−台北二二八紀年館

台北



今迄、本などで台湾は親日派が割と多く、一方韓国は反日派が多いと聞き、
かつて同じ植民地支配を受けながら、どうしてこうも違うのだろうか?と思っていたところ
いろいろ本を読むとどうやら台湾の場合、二二八事件が尾を引いているのでは?と本に書かれており
それが本当なのかどうかを確認することと台湾人の心情を理解するには
やはりここが一番かなと思い、30℃ちょうどで初夏の陽気のなか
ふらふらと台北二二八紀年館に寄ってみました。
水曜日は無料だそうで、たまたま行った日が水曜日のためluckyでした。


なかは広島の原爆資料館とほぼ同等の広さと設備ですが
やはり『百聞は一見に如かず』のことわざ通り、言ってみて自分の目で見て、肌で感じてみると
二二八事件は、かなり(民衆にとって)ひどい事件であると実感しました。


入館料が無料だったため、ういたお金で館内にカセットテープによるガイド説明があったので、
それをNT$50で借り、館内をうろついていたのですが、市会議員さんか県会議員さんか忘れてしまいましたが
ピストルで背中を撃たれた跡のあるワイシャツ(着ていた議員さんはそれが原因で死亡)や、
○▼弾によるぼろぼろになった医学書(日本語!)、(○▼は忘れました)
犠牲者の写真入りのコーナー(これは結構こわいものがあります。生まれてこの方こんなもの
見たことがありません。吉本新喜劇にでも出てきそうな面白そうな顔をしたおっさんが無惨にも
死んでいるんですから・・・、人間ってこういうギャップを感じたとき、こころが動くものなんでしょう)

本などでは二二八事件について
生活苦のためヤミたばこを販売していたおばちゃんに警官がいちゃんもんを
つけたことに端を発し、暴動につながった・・・。そんな程度の認識でしたが、
この紀年館に入ると、そんな認識はいっぺんにぶっとびました・・・。
あと自分の身体に火をつけて、そのまま焼死してしまった愛国の義士も小さなパネルに展示してありましたが
これなどを見ると、余程根が深かったんだなと痛感します。
人が燃えてるときに写真撮らずに消したれよ〜と思ってしまいますが、(ちょっと阪神大震災のときを思い出しました)
この場合、本人の意思でガソリンまいて燃えてるわけで・・・考えさせられます。
根性がなければこんなことできませんからねぇ〜。世界は広いです。ワシそう思ったです。


この紀年館の存在自体が、台湾は民主化しているなぁとつくづく感じました。
ハワイのパールハーバーメモリアルのようにボランティアだけでなく
半官半民でやっているところなど、思考(考え方)とそれを実行する行動力が
極めて柔軟で大胆であることに
驚愕・・・です。


2Fには訪問者の感想が壁に貼られているコーナーがありましたが、
これなど広島の原爆資料館と同じで小学生が難しい漢字で(当たり前か)
平和がいちばん大事である、
尊い犠牲のもとに成り立っている・・・というのを見て
確かに台湾の経済は以前と比べ豊かになっているけれども、過度な贅沢に走らず、
見ている人はキチンと見ているんだなと感じ入りました。学校単位で行ってるみたいですね。

このあと中正紀年堂まで、てくてく歩くことにする。