97年8月14日(木)
<朝>
雨だ! まーだ降ってやがる。
嫌がらせかよ・・おい! 雨よぉ・・・・・くっそー
俺は、怒りに荒れ狂い、燃えたぎる熱いパワーを、
空に向かって、投げ付けた。・・・でも、届かなかった。
「仕方ねぇべ」・・と、カッパを着て走る俺の姿に
笑顔は、消えてたぜ。
「ふっ、 いいさ たまにはダークなのも、いいだろう」
・・・・と、思った瞬間!! 目の前が、
急に パァー と明るくなってきた。
「やっっっったーー!!」
そう、雨が止んだのだ。
俺は、喜んだ!! そして微笑んだ!!
カッパを脱ぎ捨て、アクセル全開! 気持ちいいぜーー!!
そして調子良く走っていると、
目の前に一台のトロトロ車が、走っていた。
俺はいつもの様に、一瞬で点にしてやろうと
さらに、アクセルを開けようとした、その瞬間!!
「やめるんだ アーミー」
グリーンだ! 俺はすばやくスピードを落とし、
その車の後ろに張りついた。
「よく分かったなっ、グリーン」
そう、そいつは 羊の頭をかぶった狼・・覆面パトカーだったのだ。
「ふぅーよかった、いくらワルな俺達でもこいつぁちっと手強いぜ!」
すると、後ろの方から超特急で迫ってくる一台のGTR!!
ドッヒューーン! そのGTRが、過ぎ去った次の瞬間!
奴は、羊の頭を脱ぎ捨て、真の姿となってGTRを捕獲した。
「ふっ いくらワルでも捕まったら、おしまいだよね。
こんな天気のいい日に捕まるたぁ、かわいそうによ、、南無」
しかし、本当にいい天気だ。
こんな天気のいい日にぁ ハーレーの聖地、
ビックアメリカの、ハイウェイを思い出すぜ。
まっ 行ったこたぁ無ぇんだがよ。
しかし、だいたいハーレーって邪道だと思わないか?
皆、ワイルドさを単車でカバーしようとしてる。
とりあえずハーレーに、乗っときゃワイルドに、
見えるってなもんだ。
乗る奴が、真のワイルダーなら、
たとえスーパーカブでも、カックイイのによぉ。
おぅっと! 話がそれちまったぜ!
それから、なんだかんだで やっと乗鞍岳観光センターに、辿り着いた。
「ちょっと すまねえが、AI MIXって、
キャンプ場は、どこに在るんだい?」
すると、観光センターのババァは、
「そんな名前の、キャンプ場はここらにゃ 無いぜ」
「じゃあ、どこに在るんだい?」 と、俺
「そんなぁ 知らんわ! 平湯でも行って聞いたら?」 と、ババァ
「なに! 平湯って言うたら、
ここから40キロはあるじゃあないの、、、」
ハァーーーー 俺は疲れた。 本当に、疲れた。
もう、行くの辞めようかなぁとも思った。
その時!グリーンが、つぶやいた
「そんな事じゃワイルドとは、言えねぇな!
いくんだよ、どこまでも、たとえそれが君でもよぉ」
俺は意味はよくわからねぇが、とりあえず走る事にした。
標高2700mの山を、どんどん登っていく。
そこはまるで、別世界の様だった。 すごく不思議な所だった。
途中、相棒が酸欠になり(気圧のせいで、キャブ{燃料}の調子が
悪くなった)死にそうになっていたが、
俺の励ましの言葉で奴は蘇った。
やっぱり俺達って一心同体だよな。
そう思える今日この頃だった。
そして、やっと念願の平湯に着いた。 が、しかし またもや、俺達に試練が降り掛かってきた。 なんと! ここから、AI MIXまで60キロも、あるらしい。 おれは、奴(エイジ)を恨んださ。・・そして、なげいたさ。 「くっそーー、この苦労してる気持ちを、奴にぶつけてやる! そう思うと、なぜかドンドン走れた。 そして、とうとう、トウトウ、等々、PM6時に、 AI MIXに辿り着いた!! 「やっっっったーーーー!!!」 俺はなぜか、苦労したせいか? 無性に嬉しかったぜ。 そして、奴を探しにキャンプ場を、一回りした。・・・・ ・・・が!! いない!! 奴がいない!!! どこにもいない!! もしや?先に帰ってるのでは? それとも、違うキャンプ場に行ってるのでは?・・ 携帯も、つながらないし、 くっっそーー!! はがい! むっっっっちゃ はっがい!! でも、それより何より、疲れきっている体を 休めたかった俺は、テントを張り 何事もなかった振りで、 一人 さみしく ご飯を、食べたよ。 おいしかった。 ・・カップヌードルだけどね。 くそエイジ!!なんで、おらんねん!! PM7時頃 |
いたんだな これが、、いやがったんです コレが、、 まるで、高級リゾートホテルの様な、蚊帳のなかで 笑みなんか、浮かべちゃて たたずんでたよ。 (実を言うと、先程もう一度探してみたら、いたんだな・・) 「うぉーーーーー みっーーけたぁーー」 俺は苦労して探したせいか、かなり興奮した。 俺の興奮の雄叫びが、周りのキャンパーに、 迷惑がかかると、思ったのか 奴の相棒<おでこマダム>が、 俺を落ち着かせる様に、ビールをご馳走してくれた。 こんな事なら、ご飯食べなきゃ良かったぜ。 そして、俺は一息ついて 奴らに 俺の名前を教えてやったよ。 もちろん俺の相棒グリーンもな。 これからは、俺の事をアーミーと、呼ぶそうだ。 しかし、このテントはすげぇな! 俺のワイルドテントが、小さく見える。 そしてダンディー&その仲間達とのひとときも過ぎ 俺は自分のテントに戻ったよ。 ・・なんて可愛いテントなんだ。 奴らのテントより可愛いよな。 どうやら、可愛さだけは勝ったみたいだ。 さぁ 今夜は、もう寝よう。 明日も早いぜ。 おやすみ・・・ |
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