98年8月15日(金)
朝、身支度を終えた俺は、奴のスペーステントで
朝食を頂く。 そして、すぐに発つことにした。
「世話に、なったな!」
それだけ言うと、俺は後ろも振り向かずグリーンを走らせた。
うーーん、なんてワイルドな去り方なんだ。
我ながら、自分に惚れそうだぜ。
しかし、この日は、ただ、ただ、走り続けた一日だった。
AM10時30分に出発して、休みは小便のみ、
PM5時まで連続走行。
さすがに、パワフルで知られた俺様にも疲れが出てきた。
「もうすぐ、もぉすぐ、浜松だ。」
・・・そう思いながらどれくらい走った事だろう。
後ろに積んであるペットボトルは、気圧のせいで、
ぺちゃんこに、なっていく。
さすがの俺も、この時ばかりはグリーンに弱音を吐いた。
・・「グリーン もうダメだ!疲れたぜ」
すると、「実を言うとよぉ 俺もかなり疲れてんだわぁ
こりゃ6時までに着くのは、無理だな」と、グリーンが
そう言った次の瞬間!!
俺の体を、冷たい風が通り過ぎ
そして、どこからともなく 透き通る様な声が聞こえてきた。
「 何 言ってんだい・・ 君達二人は、今までどんな苦も、
乗り越えてきたんじゃないか・・
いけるさ!君達なら やれる・・きっとどこまでも・・」
なっなんと!! 話しかけてきたのは、風の妖精だった!!!
この妖精が語りかける奴っていうのは、
妖精が真のワイルドと認めた奴にしか話しかけないと言われている。
そう、俺達は 風にまで認められたんだ!!!
「いっくぜ!グリーン」 「おぅよ!アーミー」
ドッドッドッドッドッドッドッ・・・・
・・走り出した俺達を邪魔する奴は、もういない。
もはや、疲れはとれた。
PM6時30分 浜松 到着。
俺は真っ先に、兄 ラオウの会社へと行った。
話だしたら止まらないラオウと一緒に、飯を食べ
ラオウの、家へと辿り着いた。
ラオウはしゃべり続けている。しゃべって、しゃべって、しゃべりまくる
俺は、疲れて疲れて、早く休みたかったが、
さすが、俺の兄 ラオウ、まだピーチクしゃべり続けている。
挙げ句の果てには、アルバムを出してきて
延々と夜中の1時まで、自分の昔話は続いた。
しゃべり続けるラオウを、横目に俺は眠りについた。
おやちゅみ AM1時30分